七草粥はいつ食べる?材料は何?由来と意味は?
この記事では、
七草粥について、いつ食べるものなのか、
材料は何を使うのか、由来と意味について、
詳しくまとめています。
最近はスーパーなどで七草粥のセットを売っています。
それ程、手が掛かるものではないので、
案外食べる人も多いようです。
しかし、詳しい由来や意味などは、
良く分からないこともたくさんあると思います。
本記事では、七草粥について、
作り方も含めて詳しくまとめましたので、
ぜひ参考にして下さい。
七草粥はいつ食べる?
基本的に、
七草粥は、正月明けの1月7日に食べます。
正月のお節料理やお酒などで弱った胃を、
休めることが目的だとされています。
東北地方の北部(青森県、秋田県の一部)では、
1月15日に行う所もあります。
また、月遅れの2月7日に行う地域も全国でいくつか見られます。
材料は何を入れてつくるのか?
基本的に、
七草粥の材料は、
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
の7種類になります。
地域によって少しずつ違う場合があります。
気候や雪の関係で七草が確保できない東北地方では、
七草を使わない場合もあります。
ありあわせの青菜、
さらに根菜や油揚げなどの大豆製品を含める場合や
九州南部のように鶏肉を加える場合もあります。
調理法も白い粥だけでなく、
鰹節で出汁を取って醤油や味噌で味付けをする地方や
「和え物」「お浸し」にして食べる地方などもあります。
七草が手に入らない場合は、
冷蔵庫にあるネギ、ホウレンソウ、ミツバなど
好きな野菜で構いません。
できるだけ新鮮な野菜を使うことで、
自然界から新しい生命力をもらうという意味でも良いでしょう。
七草にはそれぞれ、次ぐに紹介するような効用があります。
セリ:鉄分が多く含まれ、造血作用が期待できる
ナズナ:熱を下げ、尿の出をよくする作用がある
ハコベラ:タンパク質が比較的多く含まれ、
ミネラルその他の栄養に富んでいるので
昔から薬草として使われてきた
スズナ・スズシロ:ジアスターゼが消化を促進する
こういった栄養素的な意味の他にも、
次のような願掛けのようなものもあります。
セリ:競り勝つ
ナズナ:撫でて汚れを除く
ゴギョウ:仏体
ハコベラ:繁栄がこびこる
ホトケノザ:仏の安座
スズナ:神を呼ぶ鈴
スズシロ:汚れのない清白
七草粥の一般的な作り方は次の通りです。
1.米を研ぎ、1リットルの水とともに鍋に入れ、30分程つけておく
2.蓋をして強火にかけ、沸騰したら弱火にして蓋をずらし、
40分から60分ほど炊く
この時、焦げ付かないように火加減に注意する
3.米が柔らかくなったら、細かく刻んだ七草を入れる
4.七草に火が通ったら、塩で味を整え、
しばらく蒸らして出来上がり
米から炊くには時間がかかります。
もっと、短時間でできて簡単な作り方は、次の通りです。
すでに炊いたご飯から、
「七草雑炊」にするという手があります。
ご飯に2~3倍の水を加えて煮込み、
最後に刻んだ七草を入れて味を整えるだけです。
10分もあれば作ることができるので、
忙しく、時間がない場合などにおすすめです。
七草粥の由来と意味は?
基本的に、
七草粥は正月行事として定着しています。
元々は1月7日の「人日(じんじつ)」の日に行われる
「人日の節句」の行事で、五節句の一つとされています。
「人日」とは、「人の日」という意味です。
中国の前漢の時代、
・元日は鶏、
・2日は犬
・3日は猪
・4日は羊
・5日は牛
・6日は馬
・7日は人の日
として、それぞれの占いを立て、
8日に穀を占って、
新年の運勢をみていたということに由来します。
また、唐の時代、人日の日に、
「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という
7種類の若菜を入れた汁物を食べて、
無病息災を願うということが行われました。
1月7日には、官吏昇進を決める日でもあったことから、
その日の朝に七種菜羹を食べ、立身出世を願ったとされています。
こういった中国での風習が奈良時代に日本に伝わり、
年のはじめに若菜を摘んで食べ生命力をいただく、
「若菜摘み」や7種類の穀物でお粥を作る「七種粥」の風習が結び付き、
「七草粥」に変化していきました。
江戸時代に入ると「人日の節句」として五節句の一つに定められ、
民衆の間に徐々に定着していきました。
まとめ
本記事では、
七草粥について、いつ食べるものなのか、
材料は何を使うのか、由来と意味について、
詳しくまとめています。
昔から風習として行われてきたものには、
きちんと意味のあるものが多いです。
ただ昔からの風習なので、
栄養素や生理学的に理に適っていることは、
驚きですね。
そういった科学的な面と無病息災などを思う人々の願いが、
「七草粥」をずっと続けさせているのだと思います。
本記事が、
正月明けに七草粥を食べるきっかけになりましたら、
とても嬉しいです。