ノロウイルスは牡蠣からなぜ伝染るのか?確率は?加熱すればいい?
2019/05/19
寒くなってくると牡蠣のシーズン!
焼き牡蠣もいいですが、やはり生牡蠣は最高ですね。
でも気になるのが、毎年多くの患者が出る
ノロウイルスではないでしょうか。
牡蠣が原因でノロウイルスに感染する人が多いと聞きますが、
本当に、そうなのか?
何か気をつけないといけないことはないか、
不安な方は、ここでしっかりと
確認して下さいね。
ノロウイルスは牡蠣からなぜ伝染るのか?
アサリや牡蠣などの二枚貝は、海水のプランクトン等を
餌にするため大量の海水を吸い込みます。
その際、
海水中に含まれるノロウイルスを体内に蓄積することがあり、
特に生で食べるケースが多い生牡蠣を食べることで、
ノロウイルスに感染してしまう場合があります。
このウイルスは、85~90℃で、90秒以上で加熱すると、
死滅します。
通常は、生で食べる習慣がある為、
牡蠣による食中毒が多いようです。
半生の場合は、アサリでも食中毒になることがあります。
ちなみに、貝の腸内までしっかり加熱すれば、
大丈夫なので、必要以上に恐れることはありません。
ところで話は変わりますが、
ノロウイルスは、その名前が示す如く、
食中毒菌とは違って、ウイルスそのものです。
ですから、栄養、温度、湿度があっても増殖できません。
ノロウイルスが増殖できるのは私たちヒトの体内のみです。
ノロウイルスの感染の原因として
良く牡蠣が話題にあがりますが、
最近では、牡蠣よりも手洗いの徹底が、
ノロウイルス予防で重要だと言われています。
これは、ノロウイルス食中毒の原因が
牡蠣などの二枚貝以外で発生し、
その多くは調理従事者がノロウイルスに
感染していることが原因だからです。
前に述べたとおりノロウイルスは
ヒトの体内でしか増殖できず、
ノロウイルスの患者さんの便には大量の
ノロウイルスが含まれています。
そして最近の消費者庁の発表では、15%の人が、
トイレで手を洗わないとのことです。
私も初めてこのことを聞いた時は、信じられませんでした。
ということは、ノロウイルスの予防として、
牡蠣以上に、トイレの後の手洗いの徹底こそが、
最も注意しなければならない点になるのではないでしょうか。
ノロウイルスが牡蠣から感染する確率は?
牡蠣によるノロウイルスの感染率の具体的な数値はありません。
牡蠣などの二枚貝は、
ノロウイルスによる汚染度合いを大腸菌数で判断して、
加熱用牡蠣とするか、生食用の牡蠣とするか、
決めています。
つまり牡蠣によるノロウイルス食中毒防止に、
牡蠣の鮮度は関係ありません。
その牡蠣がノロウイルスを持っているかどうか、
その点こそが問題なのです。
どこで採れた牡蠣か、採れた時期が重要です。
これは広島県の例ですが、
条例で生食可能な牡蠣の指定海域が決められています。
塩分濃度の濃さ、雑菌や大腸菌の低さ(大腸菌群70以下/100mlの海域)
等生食用の牡蠣に厳しい審査基準を採用しています。
更に生食用の牡蠣の条件は、厚生労働省の通達で、
「殺菌されたきれいな海水等で、水温5℃以上で、
2~5日間以上つけて浄化すること」
のように義務づけられています。
この殺菌の行程を経ても大腸菌数の多い牡蠣は、
生食用の牡蠣として出荷できません。
ですから生食用の牡蠣として市場に流通しているものは、
基本的に大腸菌が少ないものに限定されるので、
ノロウイルスによる汚染度も低くなります。
その結果ノロウイルスに感染する確率も
非常に低いものとなります。
無論、このように厳格なルールで
管理運用されている生食用の牡蠣でも
絶対にノロウイルスに感染しないと
保証している訳ではないので、
ノロウイルスに感染するリスクはゼロではありません。
しかしながら、その確率は非常に低いです。
POINT!ただし、例え新鮮な牡蠣でも、
生食用の牡蠣を食べる時は、
多少なりともリスクがある点だけは理解して、
食べるようにして下さい。
また当然のことですが、加熱用の牡蠣を生食したりすると、
ノロウイルスに感染する可能性は非常に高くなります。
ですから、加熱用の牡蠣は、必ず加熱してから食べましょう。
ノロウイルスは牡蠣をどのように加熱したら防げるか?
牡蠣は、加熱用の牡蠣はもちろんのこと、生食用の牡蠣も
できるだけ、85~90℃以上で、
90秒以上加熱してから、食べましょう。
ノロウイルスは熱に弱く厚生労働省も
給食などの現場の調理指針として
食材の中心温度を85~90℃の状態で
90秒以上加熱することで
ノロウイルスを不活化できるといっています。
十分加熱すれば安全に食べる事ができます。
また、食材である牡蠣だけでなく、
熱湯をはっておいて、包丁や使ったお皿、
牡蠣が入っていた容器も入れておくと
殺菌に効果的ですので、オススメします。
まとめ
牡蠣は、焼き牡蠣も美味しいですが、
「やはり牡蠣は、生牡蠣に限る!」
と言われる程、生牡蠣の人気は高いです。
基本的に牡蠣は、
ノロウイルスによる汚染度合いを大腸菌数で
管理されます。
そして生牡蠣は、塩分濃度の濃さ、雑菌や大腸菌数で
区別された海域で育成されます。
このように生牡蠣は、この大腸菌数が厳しく管理されています。
とは言ってもリスクはゼロではないので、
その点は理解した上で、生牡蠣を楽しんで下さい。
注意点ですが、加熱用の牡蠣を
決して生で食べてはいけません。
必ず、85~90℃以上で、
90秒以上加熱してから食べましょう。